2026/05/11 - OpenClawトレンド

AIエージェント市場が急速な転換期を迎えています。オープンソースの有力フレームワークであるOpenClawが、競合するHermes AgentにOpenRouterのトークン消費量ランキング首位を明け渡したことが大きな波紋を呼んでおり、ユーザーの間では「信頼性」と「セットアップの容易さ」を基準とした大規模な移行の動きが観測されています。

一方で、Googleが対抗馬となる自律型エージェント「Remy」を準備しているとの報道や、OpenClawの脆弱性を突いたマルウェアの出現など、エコシステム全体で技術的な成熟とリスク管理が同時に進展しています。開発者コミュニティでは、単なる「チャット」から「自律的なオペレーション」へのシフトが決定的なものとなっています。

それでは本日の注目トピックを詳しくご紹介します。

目次

  1. Hermes AgentがOpenClawを逆転、トークン消費量世界首位へ
  2. Googleが自律型AIエージェント「Remy」を開発中との報道
  3. OpenClawの「スキル」を悪用したマルウェアの拡散が確認される
  4. OpenClaw v2026.5.10 配信、信頼性と安定性の向上に注力
  5. 「チャットからオペレーションへ」エージェント設計思想の変化
  6. ローカル環境でのAIエージェント運用とプライバシー保護の潮流

Hermes AgentがOpenClawを逆転、トークン消費量世界首位へ

OpenRouterの統計において、Nous Researchの「Hermes Agent」が「OpenClaw」を抜き、AIエージェントとしてのトークン消費量で世界1位にランクインしました。多くのユーザーが、OpenClawの頻繁なアップデートによる環境破壊や設定の複雑さを理由に、より安定しセットアップが容易なHermesへ移行している現状が投稿ログから浮き彫りになっています。

この逆転劇は、AIエージェント市場におけるユーザーの関心が「多機能性」から「実用的な信頼性」へと移り変わっていることを示唆しています。先行者利益を誇っていたOpenClawに対し、後発のHermesが「動くこと」を優先した設計で支持を広げた形です。

Dragonhau66(May 10, 2026): Hermes Agentが1日のトークン消費量2710億を記録し、OpenClawを超えて世界首位に。オープンソースのインテリジェント・エージェントが従来のコード助手を凌駕し始めています。
JulianGoldieSEO(May 10, 2026): 多くの人がHermesに切り替えている理由は単純。セットアップがスムーズで、ゲートウェイが壊れることもなく、コミュニティの成長も速いためです。

Googleが自律型AIエージェント「Remy」を開発中との報道

Googleが、OpenClawやAnthropicのClaude Coworkに対抗する新しいAIエージェント「Remy」を開発していることが報じられました。Geminiをベースとしたこのエージェントは、24時間自律的にタスクを実行し、メッセージ送信や資料共有、さらには決済代行までこなす能力を持つとされています。

大手テック企業が「答えるAI」から「動くAI」へと完全に舵を切ったことで、エージェント間の競争がプラットフォーム・レベルで激化する可能性があります。既存のオープンソース・コミュニティが、Googleのような垂直統合型の利便性にどう対抗するかが今後の焦点です。

housakuakita(May 10, 2026): GoogleがGeminiベースの自律エージェント「Remy」を準備中。決済まで代行するとのことで、AIが完全に「動く」フェーズへシフトしています。
yomasaru(May 9, 2026): GoogleがOpenClawやClaude Coworkに対抗するAIエージェント「Remy」を準備かとのニュース。エージェント領域の競争が激化しています。

OpenClawの「スキル」を悪用したマルウェアの拡散が確認される

OpenClawの機能を拡張する「スキル」に偽装した悪意のあるプログラムが、Remcos RATなどのマルウェアを配布していることが確認されました。問題のスキルをインストールすると、ウォレットやパスワードマネージャーから情報を盗み出すためのバックドアが構築される危険性があると報告されています。

AIエージェントに強力な権限(シェル実行やファイル操作)を与えることが一般的になる中で、サプライチェーン攻撃のリスクが現実のものとなっています。公式リポジトリ以外のスキルの導入には、これまで以上の厳格な監査が必要となるでしょう。

leoobai(May 10, 2026): 悪意のあるOpenClawの「スキル」がマルウェアの配布経路になっています。アドオンを不用意にインストールするとマシンにバックドアを作られる可能性があります。
TweetThreatNews(May 10, 2026): OpenClawを装った偽のインストーラーが、パスワードマネージャーから資格情報を盗むための多層的なインフラを使用していることが判明しました。

OpenClaw v2026.5.10 配信、信頼性と安定性の向上に注力

OpenClawは最新のベータ版(v2026.5.10-beta.1/2)をリリースし、Telegram連携の不具合修正やリアルタイム音声診断機能の追加を行いました。特に、セッションが「ゴブリンモード(スタック状態)」に陥った際の強制リセットコマンドなどが実装され、運用上のストレス軽減が図られています。

開発側は「最新が常に最善ではない」というユーザーの不満に応える形で、安定したベースラインの構築を急いでいる様子が伺えます。一方で、頻繁な仕様変更が依然として現場のエンジニアを疲弊させている側面も否定できません。

thejsnode(May 11, 2026): OpenClawに「/think default」などのリセットボタンが追加。エージェントがセッションのオーバーライドで動かなくなった際の救済措置です。
techwithangel(May 9, 2026): 最新版が常にベストとは限らない。2026.5.2は安定しており、Telegramの問題も解決されているため、現時点ではここをベースにするのが賢明です。

「チャットからオペレーションへ」エージェント設計思想の変化

AIエージェントの運用において、「1エージェントに全てを任せる」のではなく、「司令塔・実行・監視」の3層構造で運用する設計思想が普及しつつあります。投稿ログでは、15体以上のエージェントを同時稼働させるユーザーが、SlackやDiscordをインターフェースとして「人間は承認のみを行う」ワークフローの有効性を説いています。

AIは単なる「話し相手」ではなく、検証可能な成果物(レシート)を出す「同僚」へと定義が書き換えられています。プロンプトエンジニアリングよりも、複数のスキルをどう組み合わせるかという「オーケストレーション」の重要性が増しています。

OpenclawM(May 10, 2026): エージェントに自由に動けと言うのは失敗の元。司令・実行・監視の3層構造に分けることで、一人企業でも安定したチーム運用が可能になります。
_StevenPearson(May 10, 2026): プロンプトは過去のニュース。これからはオペレーティングの時代です。OpenClawはAIをチャットボットから自律的な実行者に変えます。

ローカル環境でのAIエージェント運用とプライバシー保護の潮流

Raspberry PiやMac Mini、NVIDIA Jetsonなどのハードウェアを用い、AIエージェントを完全にローカル環境で稼働させる試みが加速しています。機密情報の保護やAPIコストの削減を目的として、DeepSeek V4などの軽量かつ高性能なモデルを量子化してローカルで走らせる手法が注目されています。

「クラウドに依存しない知能」への需要は、特に企業の機密データを扱う層で根強く、専用のハードウェアキット(ClawBoxなど)の登場を促しています。ただし、技術的ハードルの高さから、依然としてセットアップに苦戦するユーザーも少なくありません。

kirkpaper(May 9, 2026): オフラインでのエージェント配備は、AIを「サービス」から「道具」に戻す行為。秘密をローカルに留め、応答遅延も解消できます。
Saboo_Shubham_(May 10, 2026): DeepSeek v4 Flashを128GBのMacでローカル実行。OpenClawを通じてエンジニアリング・エージェントを動かしていますが、非常に印象的なパフォーマンスです。