2026/07/23 - OpenClawトレンド
直近24時間のX(旧Twitter)では、自律型AIエージェントの実行環境である「OpenClaw」と、その競合とされる「Hermes Agent」を巡る議論が再燃しています。特に、長期運用におけるメモリ管理の課題や、最新モデル「GPT-5.6 Sol」の統合、そして商用利用に向けた信頼性の検証など、エージェント技術が「チャット」から「自律実行」へと完全に移行しつつある様子が伺えます。
また、インフラ面ではローカル環境での運用に加えて、分散型ハードウェアやマネージドホスティングサービスの台頭が目立ち、技術スタックの専門化が進んでいます。一方で、過度な自動化が招くセキュリティリスクや、プロプライエタリなプラットフォームによるサードパーティ製ツールの制限といった、エコシステム特有の摩擦も顕在化しています。
それでは本日の注目トピックを詳しくご紹介します。
目次
- OpenClawとHermesのシェア争いと「使い分け」の進展
- AIエージェントの長期運用におけるメモリと信頼性の課題
- インフラの多様化:ローカルMac miniから分散型クラウドへ
- エージェント向けセキュリティとガバナンス層の重要性
- 「チャット」から「ループ設計」へ:開発パラダイムの転換
- GitHubでの活発な開発と新たなオープンソース代替案の台頭
OpenClawとHermesのシェア争いと「使い分け」の進展
自律型エージェントの二大勢力であるOpenClawとHermes Agentの間で、ユーザーの移行や比較が活発に行われています。統計データによれば、OpenRouter上でのトークン使用量はHermesがOpenClawを大きく上回る場面も見られますが、OpenClawのnpmダウンロード数は依然として増加傾向にあります。
先行者であるOpenClawが多機能化する一方で、後発のHermesが「より洗練された代替案」として支持を集めるなど、市場の成熟に伴う棲み分けが始まっている可能性が示唆されます。
ravsau(July 22, 2026): Hermes Agentは今月、OpenRouter上でOpenClawの6倍の規模になっています。Hermesは29.5兆トークンに対し、OpenClawは4.91兆トークンです。
iamnanyi_x(July 22, 2026): OpenClawは議論の熱は下がったかもしれませんが、使用量は依然として高いです。npmのダウンロード量は4月の1日17.6万回から、7月には42.2万回にまで成長しています。
0xVibly(July 22, 2026): OpenClawを使い続けようとしましたが、頻繁に壊れてしまいます。一方でHermesは静かに改良され続けており、結局頼りになるのはこちらでした。
AIエージェントの長期運用におけるメモリと信頼性の課題
エージェントを24時間稼働させる実用フェーズにおいて、コンテキストの消失やSQLiteバックエンドの書き込みエラーといった技術的課題が指摘されています。特に、セッションが長くなるにつれて発生する「コンパクション(要約)」時の情報欠落が、エージェントの判断精度を下げているという報告が相次いでいます。
「AIを動かす」段階から「AIを安定して維持する」段階へ課題がシフトしており、永続的なメモリレイヤーの構築が急務となっていることが伺えます。
Marina_53182477(July 23, 2026): OpenClawメインセッションにおける早期コンパクションの繰り返しと、レスポンスルーティング、履歴投影、継続性の失敗に関する調査報告書をまとめました。
actiandev(July 23, 2026): デフォルトのSQLiteメモリバックエンドは、コンテキスト圧縮中に書き込みを失うことがあります。エージェントは必要なコンテキストがないまま、静かに再開してしまいます。
hongzhi_oc(July 21, 2026): AIのメモリには単なるストレージではなく、アーキテクチャが必要です。意思決定を検索可能な知識層に変換する仕組みを構築しました。
インフラの多様化:ローカルMac miniから分散型クラウドへ
エージェントの実行基盤は、個人のMac miniなどのローカル環境から、VPSや分散型コンピューティングネットワークへと広がっています。特に、スマートフォンのリソースを活用した分散デプロイや、セットアップを簡略化したマネージドホスティングサービスが注目を集めています。
自律型エージェントの普及に伴い、常にオンラインで実行可能な「エージェント専用のコンピューティング環境」の需要が高まっていると考えられます。
Deeeefender(July 22, 2026): 常にオンのエージェントを実行するにはVPSやノートPCが必要でしたが、今ではスマートフォンのリソースからHTTPSやSSHを備えたノードをデプロイできます。
HostArmada(July 22, 2026): OpenClawホスティングをアップグレードしました。よりスムーズな注文フローと自動ダッシュボードログインにより、構築にかける時間を増やせます。
Alfrzwiandhika7(July 22, 2026): 分散型ハードウェア上で動作するAIエージェントが、ブラウザUIとSSHシェルを提供し、一つのプロセッサから実行可能になりました。
エージェント向けセキュリティとガバナンス層の重要性
エージェントが自律的にコードを実行したり、外部APIと連携したりすることに伴うセキュリティリスクが重大な論点となっています。数百件の脆弱性が発見されたという報告や、誤った判断による資産の不正送金リスクなど、防御レイヤーの必要性が強調されています。
「AIに全権を与える」ことの危険性が認識され始め、実行前の検証(Audit Trail)や決定論的なファイアウォールの導入が推奨されています。
bitsecai(July 22, 2026): OpenClawを数時間調査しただけで、数百の脆弱性が見つかりました。システムを向けたものすべてに対して、何かを発見できてしまう状況は恐ろしいものです。
SeanMathena(July 22, 2026): 下書き権限とコミット権限を分離することが重要です。エージェントには広く考えさせ、書き込みは狭く制限する。承認された目的地と監査証跡が必要です。
SIMtheories(July 23, 2026): エージェントとツール呼び出しのための決定論的AIファイアウォールを導入しました。OWASP基準に準拠したセキュリティが必要です。
「チャット」から「ループ設計」へ:開発パラダイムの転換
ユーザーの関心は、単一のプロンプトで回答を得ることではなく、複数のエージェントを連携させた「ループ(繰り返し処理)」の設計へと移っています。「人間がプロンプトを書くのではなく、エージェントがプロンプトを書き合うループを設計するのが仕事になる」という主張が支持を得ています。
AIはもはや回答を生成するツールではなく、特定のワークフローを完遂するための「デジタル従業員」として定義され直している様子が窺えます。
DylanRosemberg(July 22, 2026): 私はもうClaudeにプロンプトを書きません。ループがプロンプトを書き、行動を決定しています。私の仕事はループをデザインすることです。
jerryriggs_labs(July 22, 2026): AIエンジニアリングで重要なのは一発の回答ではなく、ループとグラフです。意図、ルーティング、構築、検証、ハンドオフの流れを構築します。
ContentStudioio(July 22, 2026): ChatGPTはあなたが質問するのを待ちますが、OpenClawはバックグラウンドでタスクを実行します。一方は答え、もう一方は行動する。これが大きな転換です。
GitHubでの活発な開発と新たなオープンソース代替案の台頭
OpenClaw以外にも、多種多様なオープンソースのエージェントフレームワークが登場し、GitHubでのスター数を急速に伸ばしています。特にIMプラットフォーム(WeChat, Telegram等)との連携に特化した「AstrBot」などは、OpenClawの有力な代替案として注目されています。
特定のプラットフォームに依存しない「ベンダーニュートラル」な開発志向が強まっており、エコシステム全体でツールの汎用化が進んでいると考えられます。
gaoqian2580(July 21, 2026): GitHubで37kスターを獲得しているAstrBotは、QQやWeChatなどにデプロイ可能な一站式Agentフレームワークです。OpenClawの代替になり得ます。
leveltu144(July 22, 2026): 2026年に知っておくべきAIリポジトリとして、OpenClaw、AutoGPT、Ollama、LangChainなどが挙げられます。
pentesti(July 22, 2026): 特定のベンダーに依存せず、Codex、Claude、Hermes、OpenClawなどと連携してニュースフィードを構築できるスキルが公開されています。